おはよう! 1日ひとつ英単語

60歳を過ぎ肩の力が抜けてから案外楽しくなってきたなあと思う日々です。

大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立   小式部内侍

 百人一首:   好きな一首





大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立      小式部内侍



この歌は、小式部内侍の生い立ちと深く関わっています。

小式部内侍の母上は、かの和泉式部なのですよ。
グレートマザーですよね。

あまりにも偉大な母君。


その母君が夫君の保昌にしたがって、丹後に赴かれました。


他方、京で催された歌会に出席した娘の小式部内侍は、


(お母さんに助力を頼んで)
丹後に使いを出したことでしょう。お母さんから返事は来ましたか。

と定頼の中納言という人に、からかわれます。


グレートマザーを持つ娘のつらさですよね。





ところが小式部内侍はおめおめ引き下がる娘ではなかった


大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立    小式部内侍


即座にこの歌を詠みます。


大江山を越え、生野を辿る丹後への道は遠いので、
私はまだ天の橋立を踏んだこともありませんし、
母からの手紙も見ておりません。


定頼の中納言はこの切り返しに慌ててしまって、

歌を返すことも出来ず退散したとのことです。



生野/野を行く 
文/踏み

と、華麗に掛け言葉が使われ、即興で歌った 小式部内侍の才能が煌めきます。


幼少時よりあまりにも才が傑出していたので、

どうせお母さんの代作だろうと噂されていたのを、

完全に断ち切る素晴らしい作品でした。

早逝されたのが惜しまれます。



母君の和泉式部の歌は、やはりこれ


さて、和泉式部の歌では、やはりこちらが私はいちばん好きですね。


物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる 和泉式部


ものすごい迫力です。



ちなみに百人一首に収められている和泉式部の歌はこちらです↓ 

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびのあふこともがな  和泉式部



今日の英単語:  condemn (動詞) 非難する